予防養生

心の予防養生

こどものチック

○チック
思わず起こってしまう素早い身体の動きや発生のこと。
一時的に現れることは多くの子供にあります。
多くの場合には、そのまま軽快します。

○トゥレット症
チックが1年以上にわたり強く持続し、日常生活に支障をきたす場合はトゥレット症とよばれます。

トゥレット症は
複数の運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上継続した小児期に発症する神経発達症(発達障害)です。

●４〜６歳に症状が出現することが多いです。
●症状は10〜12歳ぐらいに一番強くなり、成人になると改善するという経過をとります。
●成人期になっても強い症状が持続していたり、成人期になってからの方が悪化するという場合もあり、経過は多様です。
●ストレスや厳しい子育てによる心理的な原因で現れると「誤解」されますが、体質的な疾患で、脳の働き方の違いによって起こると考えられています。

●トゥレット症と
ADHDの併発率は40%～50%
強迫症の併発率は10%～50%

（参考）
チック症・トゥレット症 | NCNP病院国立精神・神経医療研究センター
 トゥレット症チック症とは？ - トゥレット当事者会

症状は？

運動チックと音声チックがあります

○運動チック
（単純性）
・まばたき
・首を振る
・肩をすくめる
・顔をしかめる
・白目をむく

（複雑性）
・飛び跳ねる
・ひざをつく
・つま先をする
・しゃがむ
・舌を突き出す
・体を叩く

○音声チック
（単純性）
・「うっ」などの声
・のどを鳴らす
・鼻すすり
・舌打ち

（複雑性）
・人の言葉や自分の言ったことを繰り返す
・「ばか」などの言ってはいけない言葉を発する（汚言症）

※トゥレット症は、その症状を抑制することは“ごく短時間”しかできません。

チックが起こる前には
・喉が締め付けられるような感じ
・体にエネルギーがこみ上げる感じ
・体の一部にむずむずとした感じ
が起こります。

・体の特定の場所に力を入れる
・自分に痛みを与えずにはいられない
などの衝動も感じます。

※1年のなかでも1ヶ月〜数ヶ月という単位で時期によって症状に波があります。

1日の中でも
・緊張しているとき
・緊張がほぐれたとき
・疲れが現れたとき
には症状が強まるなど、症状の現れ方に違いがあります。

（参考）
意図せず体が動く　チック症・トゥレット症 | NHK健康チャンネル

原因は？

原因には諸説あります。

○生まれながらの体質が関わっています。
脳の神経ネットワークにおいてドパミンの作用が過剰であることによって起こると考えられています。
また、感染症などが関与する場合もあります。

（参考）
意図せず体が動く　チック症・トゥレット症 | NHK健康チャンネル

○チック症発症の原因は心の問題や親の育て方ではなく、大脳基底核、前頭葉、脳内神経回路、神経伝達物質の問題ともいわれていますが、明確な事はいまだわかっていません。
しかしながら、トゥレット症(チック症)を悪化させる要因(チックトリガー)と　して、生活環境やストレス、心理的要因、その他の疾患･障害などがあげられます。

（参考）
トゥレット症チック症とは？ - トゥレット当事者会

治療法は？

○行動療法
チックが現れそうな衝動が起こったときにチックと拮抗するような動き、すなわち、チックの動作と反対であったり、チックの動作とは同時には行えないような動きをします。

○薬物療法
トゥレット症に有効性が認められた薬（承認薬）は日本にはありませんが、
アリピプラゾール（エビリファイ）やリスペリドン（リスパダール）など統合失調症の薬が有効であることが知られています。

そのほかにも、漢方薬、クロナゼパム（ランドセン　抗てんかん薬）、αアゴニストと呼ばれるタイプの高血圧治療薬が用いられることがありますが、統合失調症の薬に比べると効果は弱いです。

○脳深部刺激療法
脳の深部を電気刺激で調整し、運動機能を改善させる療法もあります。

（参考）
チック症・トゥレット症 | NCNP病院国立精神・神経医療研究センター

漢方薬では？

本場の中国では、チックの治療に漢方薬を用いられています。

日本では、
チックには次のような漢方処方が使われることがあります。

○甘麦大棗湯
○抑肝散加陳皮半夏
○桂枝加竜骨牡蠣湯
○小建中湯
○抑肝散
○甘麦大棗湯
○抑肝散加厚朴芍薬

（参考）
・日本薬剤師会　漢方業務指針の手引き
・龍野一雄　　新撰　類聚方
・大塚敬節　　漢方診療三十年

自分では抑制することができず、反射的に出てしまうチックは
漢方では、心・肝・腎のアンバランスと考えて、一人一人の体質に合わせて処方を考えて行きます。

西洋医学ではまだ解明されない部分が多く、本人は当然ですが、子供にチック症状が出てしまったご両親の不安はとても大きいものです。

統合失調症薬など強い薬の使用に不安をお感じでしたら、
漢方で体質改善をご検討ください。

すでに漢方薬をお試しになり思う様な結果をお感じになれなくても、
当店には良い漢方がございますので、一度ご相談ください。

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