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皮膚
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、
○頭皮や額
○こめかみ
○小鼻の脇
○眉毛
○脇の下など
皮脂の分泌の多いところ(脂漏部位)に起こる湿疹性の皮膚炎です。
乳児期と思春期移行に多く、女性より男性に発生しやすいものです。
ふけ症も脂漏性皮膚炎の一種です。
大人の場合、放置していると悪化し、再発を繰り返しやすくなります。
<症 状>
脂っぽい皮疹ができたり、黄色い皮膚(鱗屑)が剥がれかけて、ポロポロむけたり、赤い斑になったりします。
<原 因>
乳児:母乳や乳児自身のホルモンが皮脂の亢進に関係しています。
成人:皮膚の常在菌のひとつマラセチア(真菌の一種)が発症に関わっています。
<治 療>
乳児:
皮脂の分泌亢進による一時的な皮膚炎であることが多いものです。皮膚科で指導を受け、家庭でのスキンケアを丁寧に行いことで、通常は1歳頃までに軽快します。
患部の洗浄や保湿剤の塗布をします。
痒みが強いときはステロイドの塗り薬を使用することもあります。
成人:
マラセチアという真菌(カビの仲間)が関わるので、放置せず必ず皮膚科を受診しましょう。
患部の洗浄と抗真菌剤の塗布をします。
痒みが強いときはステロイドの塗り薬を併用することもあります。
<ふけ症>
頭皮の角質が白い粉のようにボロボロとむけるふけ症は、いろいろな原因で起こります。
皮膚科で扱うフケ症の大半は、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などの皮膚病が基礎になっていますが、それ以外のふけ症は、脂漏性皮膚炎の初期段階とされています。
冬季に発生量が増加し、夏季に減少します。放置していると、炎症を伴うようになり、更に悪化すると、脱毛に至ることもあります。
(参考:主婦の友社 家庭の医学)
漢方で考える脂漏性皮膚炎
まだ発症メカニズムがはっきりわかっていない脂漏性皮膚炎は、治療を受けても再発してしまうこと多い難しい皮膚病です。
漢方で考える脂漏性皮膚炎は次のように考えます。
皮膚が弱い体質+(胃腸の弱り、食事の乱れ、ストレス、真菌など)
↓
皮膚の炎症と皮脂の分泌過剰
↓
脂漏性皮膚炎
皮膚の熱を取り解毒する役割のある漢方薬を中心に服用しながら、皮膚の洗浄とスキンケアをします。
体質によって使用する漢方薬が異なりますので、専門家に相談してください。
脂漏性皮膚炎の生活養生法
○食養生
□控えるもの
・脂
・霜降り肉
・味の濃いもの
□食べたほうが良いもの
・緑の葉物野菜:苦瓜、きゅうり、小松菜、れんこん、トマトなど
・野菜、海藻、きのこ、緑茶を多めに
・果物は適度に(糖質が多い人は皮膚病が治りにくい傾向があるので気をつけましょう)
○体重の管理
○便秘をしないようにする
○睡眠を十分に取る