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全身症状
貧血・血の不足=血虚(けっきょ)てなに?
漢方相談で「血が不足していますね」とお話しすると
「貧血と言われたことはありません」とお返事が返ってくることがあります。
西洋医学では
赤血球やヘマトクリットなど貧血を判断する値が正常でも、
漢方では
血虚(けっきょ)という血の不足を起こしている場合があります。
血(けつ)とは?
漢方では血のことを(けつ)と読みます。
血とは血管の中を流れる「赤い液体」で、
〇人体を構成する基本物質
〇生命活動を維持する基本物質
と考えます。
血は、
気(栄気えいき)の力で全身を巡っています。
また、血管のことを「血脈」とか「血府」(府=ものをしまっておく蔵)と言います。
血は、
全身を巡って、人体の臓腑、組織、器官に栄養を与えています。
血のはたらきは?
?「滋潤」
臓腑、組織、器官に栄養を与えます。
血が不足すると、手足のしびれ、筋肉のつり、冷え、爪の割れ、皮膚の乾燥などが起こります。
?「精神活動の基礎物質」
血により身体が滋潤されることで精神活動が維持されます。
血が不足すると、精神不安、不眠、多夢などが起こります。
血はなにから作られる?
?食べ物が脾胃で消化され「水穀の精微」という物質に代わります。
水穀の精微が「栄気」と「津液」か血管に入ると血になります。
?腎に蓄えられている「腎精」から血がつくられます。
血虚の具体的な症状と対策は?
原因)
過度の出血、感情の乱れ・慢性病などで血を多量に消耗する、脾胃虚弱・飲食失調のため血が十分に作られない
結果)
肌につやが無い、乾燥する、黄色くなる
口唇・舌の血色がない
めまい、動悸、息切れ
眠れない、睡眠の質が悪い
手足がしびれる、手足が冷える
爪の血色が無い・割れやすい
髪につやが無い、脱毛
経血量が少ない、生理後に体調を崩す、生理が遅れる、早く閉経してしまう
など
対策)
レバーや肉を食べて血を増やしましょう。
胃腸をいたわりましょう。
子宮筋腫などで経血量が多い人は婦人科で治療を受けましょう。
漢方薬では、四物湯、婦宝当帰膠などを服用します。