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自律神経
不眠症と過眠症
眠りたいのに眠れない…
頭の中をグルグルと考え事が回ってしまう…
あぁ〜今日も夜が明けてきてしまった…
大事な会議中なのに居眠りしてしまった…
運転中に突然睡魔に襲われる…
不眠症と過眠症とは?
【不眠症】
日本人の睡眠時間は過去40年間減少傾向で世界の中でも睡眠時間の短い国民で、現在は5人に1人が不眠で悩んでいると言われています。
「不眠」=「眠るための時間が十分にあるにもかかわらず、満足のいく睡眠を得られない状態」
具体的には、
<入眠障害 入眠困難>
寝つきが悪く、眠る時刻になっても入眠できない
<中途覚醒>
眠っている間に頻繁に目が覚めてしまう
<早期覚醒>
朝早くに目が覚めてその後再入眠できない
<熟眠障害 熟眠不全>
十分な時間寝たはずなのに熟睡した感じがしない
これらの症状が1か月以上続き、週に2〜3回以上生じる場合に不眠症と診断されます。
【過眠症】
不眠症の対極に位置するのが過眠症です。
過眠症は夜の睡眠時間が長くなるわけではなく、「日中に起こる」のが特徴です。
日中の活動時間帯に強い睡魔に襲われるため、仕事中の作業ミスや運転事故につながる可能性があります。
具体的には、
<ナルコレプシー>
突然睡魔に襲われてどのような状況でも10〜20分ほど眠ってしまう
<突発性過眠症>
ナルコレプシーと同じ症状だが、日中に1〜4時間眠ってしまうのが明確な違い
<反復性過眠症>
1日に16〜18時間も眠ってしまいますが毎日続くことない
睡眠障害の主な原因
睡眠障害の原因は人によって様々です。
原因によって生活習慣を見直すだけで大丈夫な場合や、医師による治療が必要な場合もあるなど対処法は異なってきます。
?心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる
例)仕事上の問題、家族の死
?身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる
例)花粉症、じんましん、頻尿など
?精神医学的原因
不安や抑うつなどの精神疾患が原因で起こる
?薬物学的原因
服用している薬やアルコール、ニコチン、カフェインなどが原因で起こる
?生理学的原因
時差ぼけや生活リズムの昼夜逆転が原因で起こる
漢方と不眠、過眠
漢方でも不眠症や過眠症に対する治療法があります。
不眠症の大半はストレスや不安感などの精神的なものが多いのですが、精神のバランスを崩して起こる不眠は五臓六腑の心の不調によって起こります。
心は文字通り心臓と心(こころ)を現しますので、漢方では心を血液の流れと精神活動の中枢を担っている臓器と考えます。精神活動は心に血液が十分にあって初めて安定しますので、様々な原因で心の血腋が不足すると精神活動が不安定になり不眠症になってしまします。
また血液を備蓄する役割のある「肝」や食べ物から気血を作りだす「脾」に不調があっても不眠を引き起こします。
一方で過眠は、病後の消耗やストレス、飲食の不節制などで起こる気血不足や、湿気、生もの冷たい物の食べ過ぎ、胃腸虚弱などで生じた湿邪が気血の巡りを悪くして、頭に気血が十分供給されないことで起こります。また、過労や慢性病、老化、性生活の乱れなどで腎精が不足することでも起こります。
睡眠障害と生活習慣病
睡眠障害は生活習慣病の羅漢リスクを高め、かつ症状を悪化することが分かっています。
睡眠不足や睡眠過多により体内時計が乱れます。そのため自律神経が乱れ血圧やホルモンなどに影響を与え、肥満・高血圧・糖尿病といった生活習慣病を引き起こします。
睡眠障害のある人では、ない人に比べて糖尿病になるリスクが1.5〜2倍高くなるという研究データがあります。
睡眠の乱れは色々なところに影響しますので、はやめに整えましょう。